連邦憲法裁判所はドイツの戦後民主主義の特徴をあらわす機関である。連邦憲法裁判所は、民主主義的に則って成立した法律でもこれが違憲であると判断した場合、これを無効にできる権利を基本法によって与えられている。連邦憲法裁判所は申し立てを受けてのみ活動する。申し立てができる機関は連邦大統領、連邦議会、連邦参議院、連邦政府などの連邦機関あるいはその機関の一部である議員や院内会派、そして各州政府である。連邦憲法裁判所は「違憲論争」の際には、基本法で保障されている三権分立の原則および連邦国家を擁護するために活動する。また、議会の少数派でも法規範に対する異議申し立て(「抽象的規範統制」)を連邦憲法裁判所に嘆願できるように、その際は連邦議会議員の3分の1の数を満たせば十分とする。
さらに、国家によって基本的権利が侵害されたと思うなら、国民は誰でも「憲法異議」を申し立てることができると基本法に定められており、毎年何千人もの国民が憲法異議を申し立てている。ただし憲法裁判所は数ある異議申し立ての中から、基本法適用に重要な示唆を与える判決が予想されるものだけを選ぶことができる。ドイツの各裁判所が、ある法律を違憲であると判断した場合、その裁判所は必ず「具体的規範統制の訴え」を憲法裁判所に起こすよう義務づけられている。すべての裁判権に関わる憲法解釈ができるのは唯一連邦憲法裁判所だけなのだ。