ライナー・ガイスラー
ドイツの社会は現代的で開放的な社会である。多くの人々は良質の教育を受け、世界的に見ても高い生活水準で暮らし、自分らしい生き方を実現するための自由を持っている。しかしそれでも、他の先進国同様、ドイツの社会が解決していかなければならない問題もある。人口構成の変化、特に社会の高齢化の問題は解決を要する。また東西分裂が社会にもたらしたさまざまな結果も、再統一から20年を経て、いまだ完全には克服されていない。グローバル化の中でドイツは、ますます多様化する民族文化をかかえた現代移民社会への途上にあり、移住者を適切に社会に統合する努力を重ねている。近年の社会経済的変化は、世界的な経済危機・金融危機でさらに加速されてあらたな社会的危機状況を生み出し、経済的生活状況からみた格差のきわめて拡大した社会を生み出している。ドイツ政府による最新の貧困・富裕報告書によれば、ドイツ人の4人に1人が、貧困に相当するかもしくは国家的措置によって貧困から守られる必要がある。ここでいう「貧困」とは、EUの定義により、平均収入の60%未満の世帯をさしている。単身生活者の場合、現在では、一カ月におよそ780ユーロ未満の収入しかない世帯がこれにあたる。