充実した社会福祉国家

月々の児童手当を支給して、国は家族を支援している ―― 就学前児童の保育制度も拡充された
月々の児童手当を支給して、国は家族を支援している ―― 就学前児童の保育制度も拡充された Vetta/Getty Images
さまざまな法定保険のきめ細かいネットワークが、市民を生存にかかわる危機から保護している。社会保障制度の伝統は19世紀にまでさかのぼる。

ドイツでは幅広い社会保障制度が整備されている。他の発達した民主主義国家と同じく、社会保障費は国家支出の中で最大の個別項目である。2014年にはおよそ8,490億ユーロが公的社会保障費にあてられた。これは国内総生産(GDP)の29.2%にあたる。福祉国家的な社会保障制度には、19世紀後半、ドイツの工業化の時代にまでさかのぼる伝統がある。この伝統は、当時の宰相オットー・フォン・ビスマルクと関係がある。ビスマルクのもとで、1883年、まず労働者のための義務的な疾病保険が導入された。このとき制定された社会福祉関連の法制度は、その後拡充され、社会福祉国家のよってたつ基盤となったのである。ドイツ連邦共和国の基本法では、社会福祉国家の原理は第20条第1項と第28条で定められている。これをどのように実現していくかについては、政治と社会はその都度あらたに検討していかなければならない。特に少子高齢化により、制度の適合は必須となっている。

dpa/Sebastian Gollnow

 

生存にかかわる危機から保護するための社会福祉的なネットワーク

今日、法定の疾病、年金、事故、介護、および失業保険によるきめ細かいネットワークが、生存に関わる危機や脅威から市民を守っている。このほか、社会福祉的なネットワークには、年金生活者や継続的就労不能者のための基礎保障や、家族給付調整などの税法上の措置(児童手当、税の優遇)がある。家族はひと月に第1子と第2子には188ユーロ、第3子には194ユーロ、それ以降の子供には219ユーロを受給する。これは2015年にさらなる引き上げが行われた結果である。

2014年に発効した年金パッケージにより、特に高齢者の状況が改善された。この改革では、例えば年金の支給年齢が追加の払い込みなしで63歳に引き下げられ、またいわゆる母親年金が導入された。母親年金は、子供の養育活動を認知するものである。1992年以前に生まれた子供を養育していた母親には、今日の両親が利用しているような保育制度がなく、労働界でのチャンスも少なかった。そんな中での養育活動が、今後、母親年金によって報いられるのである。およそ950万人の女性(およびわずかの男性)が、2014年7月から、子供ひとりあたり年間300ユーロ以上の年金を受け取っている。45年間掛け金を支払った長期年金被保険者は、2014年7月1日から、追加の払い込みなしで、63歳から老齢年金を受け取ることができる。およそ280,000人の被雇用者が初年度中に早期受取りを決めた。2018年末までに560,000の申請が行われるだろうと、労働市場・職業研究所(IAB)は予測している。

ドイツでは疾病保険は法定の義務である。医療措置は、病院や診療時、リハビリ施設で行われる。

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